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ロシア漁業庁長官 北方領土漁業コンビナートを相次いで視察

 ロシア漁業庁は、9月22日、サハリン州へ出張中の同庁長官シェスタコフが北方領土の漁業コンビナートを相次いで視察したと発表した。まずシェスタコフは択捉島沿岸で操業中のシロザケ操業の現場を視察、同島キトーヴイ(内岡)の”ギドロストロイ”(Гидрострой)の”ヤスニイ”(Ясный)工場を訪問した。”ヤスニイ”はサケマスの加工を中心に操業しており、1日500トンの製品を生産している。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2021/9/23)

 さらに、シェスタコフは色丹島クラバザヴォドスク(穴澗)の”ギドロストロイ系列”クリリスキー・ルイバク”(Курильский рыбак)の“クラバザヴォドスク”(Крабозаводск)工場を訪問した。“クラバザヴォドスク”は2019年に操業を開始、年間約10万トンの原魚加工を行っており、ロシア初の最新の設備を備えた加工場となった。同工場の主力取り扱い魚種はスケトウダラ等で、すり身、ミンスの生産も開始している。

 シェスタコフは、ロシアの500万トンの漁業生産の内、高次加工製品化されているのは25%のみで、これを拡大することが漁業分野発展のための重要な任務の一つだと語り、今後数年間で、少なくても65%まで引き上げる必要があると加えた。

 また、漁業分野の発展がクリール諸島の社会経済にとって非常に重要であり、近代的な製造業の創出が、地域住民の福祉の向上と新しい専門家の誘致に貢献することになると言及した。

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