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根室・納沙布岬 「四島のかけ橋」に「奪還」と落書き

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 北方領土返還の決意を表すため、根室市納沙布岬に建てられたモニュメント「四島(しま)のかけ橋」の2カ所に13日、白いスプレーで「奪還」と落書きされているのが見つかった。管理する市は根室署に被害届を出し、同署が器物損壊事件とみて調べている。(北海道新聞2021/9/14)

 四島のかけ橋は1981年、返還運動関係者らが全国から募金を集めて造った。長さ35メートル、高さ12・7メートル、厚さ3~5メートルの鋼板製でアーチ状。四つのブロックで四島を表現している。アーチ下に灯火台があり、領土返還への「祈りの火」をともしている。

 「奪還」の文字は、かけ橋本体に縦2・6メートル、横1・1メートル、灯火台に縦1メートル、横2・2メートルの大きさで書かれていた。近くの啓発施設「北方館」によると、周辺住民が13日午前7時ごろ見つけ、連絡を受けた市が根室署に通報した。落書きは同館職員が前日夕に確認した時にはなかったという。

 根室市の石垣雅敏市長は「心ない者によっていたずら書きをされたことに強い憤りを感じる」とのコメントを出し、千島歯舞諸島居住者連盟(札幌)の宮谷内(みやうち)亮一・根室支部長は「元島民の心の支えになっている場所。返還運動は正しい方法でやらなければならず、元島民らの思いを踏みにじる行為だ」と強く非難した。(川口大地、武藤里美)

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