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国後島・古釜布 カモメのふん害に憤る

 

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 「毎朝、カモメの鳴き声で起こされるのはうんざりだ。もっといい目覚め方はないの」。北方領土国後島の中心地、古釜布(ユジノクリーリスク)で、住民がカモメのふんや騒音に悩まされ、いらいらしている。住宅の屋根に群がり、鳴き声がうるさく、ふんが異臭を放つ。(北海道新聞2021/9/11)

 建物の屋根だけでなく、公園、道路、車など町の全てがふんに覆われている。ドライバーは出勤前に車についたふんを洗い流すことから一日が始まる。公園の遊具はふんで汚れ、子どもたちは遊べない。洗濯物を外に干すこともできない。

 漁師のユーリー・ミへエフさん(38)は「カモメから逃れられない。朝方は寝られず、車を洗うのも大変。歩いて出掛けたらふんを落とされる。行政が問題を解決してほしい」と憤る。

 国後島を管轄する南クリール地区行政府は当初、町の至る所からサイレンを鳴らし、カモメを脅して追い払う作戦を展開。しかし、時間がたつにつれ、カモメはサイレンに慣れてしまい、失敗に終わった。

 新しく実験的に始めた対策は、屋根にワイヤロープを張り巡らせることだ。ワイヤロープの細かい網目が、カモメを止まりにくくさせるという。住民はこの作戦が成功することを願っている。(ロマン・ベレジューク通信員、写真も)

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