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国後島・色丹島 地球温暖化の影響でエゾマツが衰退 植物研究者が調査

今年8月、ロシア科学アカデミー極東支部ウラジオストク植物園研究所の科学者グループがクリル自然保護区(国後島)と小クリル保護区(色丹島歯舞群島)で地球温暖化が森林に及ぼす影響などを調査した。科学者たちはカラマツとエゾマツに注目した。パベル・クレストフ所長は「ここでも乾燥と温暖化が進んでおり、その影響はエゾマツから見ることが出来る。湿度が高い気候で成長する木だが、霧が少なく乾燥が進んだことで弱体化している」と語った。気候変動は島々の生態系の全ての要素に影響を及ぼしているという。「地球温暖化は極東ロシアの南にまで到達し、熱帯低気圧による森林被害が拡大している。以前は、日本での話だったが、今や北方にまでやってきている」と、助手のキリル・コルズニコフ氏は述べた。今年7月、クリル住民は異常な暑さに直面した。数週間にわたって灼熱の太陽が照り付けた。気温は30~35度という記録的な暑さとなった。(サハリン・クリル通信2021/9/10)

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色丹島でのフィールドワーク

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色丹島

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色丹島のエゾマツ

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国後島ゴロブニノ火山のアカエゾマツは120年前に植林されたもの

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