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クリル発展計画の前期に投じられた連邦予算わずか12% サハリン州が41%負担 連邦上院委員会が政府に勧告を約束

ロシア連邦院(上院)の連邦構造、地域政策、地方自治、北部問題に関する委員会のメンバーが24日、サハリンを訪問。北方四島の開発計画であるクリル諸島社会経済発展プログラム(2016-2025年)の資金供給について州政府と話し合った。委員会側はクリル発展プログラムへの連邦資金提供が十分でなく、バランスがとれていなことを認めた。ゴロデツキー副委員長はクリル発展プログラムの前期で415億ルーブルの予算が投入され、資金の41%がサハリン州予算であり、民家投資が47%、連邦予算からの資金提供は12%に過ぎないとし、「資金調達のアンバランスを修正する課題は連邦院の主要な課題になるだろう。2021年から3年間の予算検討の中で、この問題を明確にする必要がある」と語った。会議の後、州政府のアレクセイ・ベリク首相は「クリル発展プログラムで現在、承認されているプロジェクトを実施するためには、さらに250億ルーブルが必要」と語った。追加資金の調達によって、新しい住宅整備など南クリル諸島(北方四島)のインフラ整備と北クリル(セベロクリリスク)への光ファイバーネットワーク敷設が可能になるとした。これに対して、ゴロデツキー副委員長は委員会として連邦省庁に対して、クリル発展プログラムへの連邦資金の供給を含む新たな勧告を行うことを明らかにした。ベリク首相は「島の生活を改善するため社会インフラを構築しなければならない。今日の会議で連邦予算からの資金提供の必要性を訴えた」と語った。クリル発展プログラムは前期の5年間で、学校や病院、幼稚園など13プロジェクトが実現し、延長39kmのアスファルト道路が出現し、橋など10施設が修復された。128人の優秀な技術を持った専門家が来島し、400家族が定住。42,000㎡の住宅が建設された。(サハリン・クリル通信2021/6/25)

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