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ビザなし渡航 5月開始困難 夏以降か コロナで協議遅れ

 2021年度の北方領土ビザなし渡航の開始時期が、例年の5月から延期される公算が大きくなっている。通常なら事業の年間計画を決める日ロ代表者間協議が3月に行われるが、新型コロナウイルスの影響で5月ごろにずれ込む見通し。日本政府は早期実施を目指しているが、20年度はコロナ禍で全面中止に追い込まれた経緯があり、今年の事業開始も早くて夏以降との見方が強まっている。(北海道新聞2021/2/21)

 複数の日ロ外交筋が明らかにした。代表者間協議の開催時期については、日ロ双方の実施団体間で電子メールなどでやりとりが続いているが、コロナ感染が収束せず、入国時の隔離措置などの制限も続いていることから、5月ごろに延期した上、オンラインで実施する案が有力視されている。

 年間計画は中止となった前年の内容を踏襲する案も出ているが、事業実施に当たっては双方の法的立場を害さない形で、訪問団が四島との出入域や現地で行動する際にどのような感染対策を行うかなど、両政府間でも調整が必要になる。四島側の医療体制も課題で、関係者は「早くても8月ごろになるのでは」と話す。

 昨年は5月から10月にかけてビザなし交流、自由訪問、北方領土墓参の3事業で計19回のビザなし渡航が予定されていたが、全て中止となった。日本政府は、ビザなし渡航で使う専用船「えとぴりか」(1124トン、定員84人)について、感染対策を施す改修を3月末までに終える予定だ。(東京報道 古田夏也、ユジノサハリンスク 仁科裕章)

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