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サハリンの旧樺太庁博物館(現・郷土博物館)改修へ 屋根瓦の確保など課題山積

日本統治時代の1937年に樺太庁博物館として建設され、築84年が経過したサハリン州郷土博物館で大規模改修に向けた準備が進められている。希少な屋根瓦の確保などが難しく、改修には7年以上かかるといわれる。ユーリ・アリン館長は「建物はあちこちにひび割れが発生し、全体的な修復が必要で、資金が割り当てられれば今年からプロジェクトに着手する」という。博物館は文化遺産に指定されており、ロシア連邦文化省から認可された専門組織が行う。「歴史的な外観を可能な限り正確に再現するため、難しい仕事になる」という。特に難しいのは屋根。最後に修理されたのは2007年だが、ロシア国内では屋根瓦の資料が見つからず、函館の専門家に協力を求めた。「改修工事は公共調達に関する法律に拘束されるため、ロシア企業が従事する。作業に日本を巻き込むかどうかは我々では決められない」と館長。サハリン地域の20世紀前半から21世紀初頭をテーマにした歴史ホールは、雨漏りなどで3年以上閉鎖されたままだ。この部分の改修だけで1,600万ルーブルかかる。「屋根の一部を修理しても、問題は完全には解決されない。建物全体を修繕する必要がある」と言う。プロジェクトの準備には少なくとも2年かかる。この間、専門家は大量の情報を収集・研究し、スケッチを作成する。さらに国の試験をパスして許可を取得する必要がある。今のところ改修工事は2025年頃に始まり、5年続くとみている。(サハリン・クリル通信2021/2/10)

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