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2020年の訪問者30%増加 コロナ禍でも島外から1,000人超 国後島のクリル自然保護区

国後島のクリル自然保護区は2月10日の創設記念日に合わせて、2020年の活動結果をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、保護区内の観光ルートを訪れた人は1,740人と、前年の1,325人から大幅に増加した。訪問者のうち1,027人はサンクトペテルブルク、モスクワなど本土から観光客で、658人は国後島色丹島の住民だった。加えて7団体28人の調査団も訪れた。保護区内のパトロールのためスタッフが歩いた距離は合わせて4,360kmになった。絶滅危惧種シマフクロウの繁殖活動を助ける人工巣を新たに6個設置し、合計45個に増えた。火災時に使用される消防林道101.5kmが開通。また、子供たちなど1,000人以上が環境教育プログラムに参加した。保護区の科学部門研究者は科学雑誌に22本の論文を発表するとともに、国内外の研究者との合同研究を実施した。クリル自然保護区(国後島)と小クリル自然保護区(色丹島歯舞群島)には2020年末現在で、5,758種の野生動物が登録されている。このうち421種が脊椎動物(哺乳類54種、鳥類296種、爬虫類5種、両生類3種、魚類等63種)が登録されている。うち90種がレッドブックに記載されている。また、両保護区内では約2,000種類の植物が発見されている。うち965種類が維管束植物。国後島は豊かな種の多様性を象徴するクリル諸島唯一の島である。ロシアのレッドブックには152種類の植物と菌類が記載されている。治安部門スタッフはFSB(連邦保安庁)や緊急事態省、林野庁などと連携して453件の調査を実施し、違法な伐採や建築、汚染など87件の行政違反を摘発した。クリル自然保護区では2020年に火災は発生しなかったが、小クリル保護区の色丹島では笹原6ヘクタールを焼失する野火があった。観光分野では、18kmの生態系・観光ルートの整備が行われた。(クリル自然保護区ニュース2021/2/9)

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