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別離から73年 日本人女性がロシア人の友達「ガーリャ」を捜し続けている

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 日本人の佐藤紀子さんはサハリンに住んでいた子供の頃、一緒に遊んだ「ガーリャ」というロシア人の友達を捜し続けている。(サハリン・インフォ2020/12/28)

 紀子さんは王子製紙の工場があった敷香(しすか)で生まれた。(ソ連樺太を占領した後) 紀子さんにとって最も鮮やかな子供時代の思い出は、1歳年下の少女ガ―リャとの友情だった。ロシア人の女の子は家族と一緒にサハリンに移住し、佐藤さんの家の隣に住み始めた。言葉の壁にもかかわらず、少女たちはすぐに友達になり、その友情は約2年間続いた。その後、紀子さんの一家は日本に引き揚げとなった。別れの場面は感動的だった。日本人の女の子はロシア人の友人に、自分が一番大切にしていた人形を贈った。ガーリャの母親は当時手に入らなかったシュガークッキーの袋を、そっと紀子さんのポケットに忍ばせた。紀子さんは後になって、クッキーを見つけてとても幸せな気持ちになった。

 終戦から75年。少女たちが別れてから73年が経った。現在、紀子さんは82歳。秋田県に住み、ロシア語を勉強しながらガーリャに会える日を夢見ている。今年8月、彼女は「ガーリャに会いたい―少女の見た戦争」という小さな本を出版した。その中で、紀子さんはサハリンでの子供時代、家族のこと、ガーリャのこと、遠い時代に起こったすべてのことを書いた。紀子さんは、サハリンを取材しているジャーナリスト片山通夫氏に助けを求め、サハリンで発行されている韓国語新聞に記事が掲載された。そして、今回当サフ・コム通信でも記事に取り上げた。きっとガーリャの手がかりが見つかるだろう。

「ガーリャに会いたい」-子供時代をサハリンで過ごした日本女性がロシアの友達を捜している - 北方領土の話題と最新事情