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択捉島 シロザケ漁が最盛期 加工場は24時間稼働

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 今年のシロザケ漁—択捉島では好漁が続き、漁師や水産加工場は24時間体制で働いている。キトヴィ(内岡)のヤースヌイ加工場とレイドヴォ(別飛)のオーリャ湾の工場は、1日400~500トンの原魚を加工する能力があるが、今は1日平均200~300トンを処理している。(サハリン・インフォ2020/10/6)

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 シロザケ漁は1992年に禁止されて以降、およそ30年の間、ここに遡上することはなかった。クリリスキー・ルイバク水産工場場のセルゲイ・ボルゾフ副社長は「数年前、ギドロストロイ社はシロサケの孵化事業に着手し、群れを遡上させることに成功した。今では毎年増えている」と語る。島内の企業は8カ所の孵化場を建設した。そのうち数カ所はスキット社とコンチネント社が造った。今日、択捉島の孵化事業は年間1億3,000万尾のカラフトマスと2億2,000--2億4,000万尾のシロザケを生産している。その結果、2019年の漁獲量は2万6,000トンに達した。今年はこれまでに4,161トンのシロザケを水揚げしており、択捉島の漁業会社はサハリンのサケ生産のリーダーになった。 

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 工場は1年を通して稼働している。スケソウダラ、イワシ、タラなど地元海域で獲れるすべての魚を獲っている。「とは言え、私たちが目指す方向はサケである」とボルゾフ副社長。過去2年間で4万トンを漁獲したが、今年はやや少ない。カラフトマスが1万3,000トン、シロザケはまだ数千トンにとどまっているが、漁は11月末まで続く」と期待する。

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 船団の荷下ろしはポンプで行われる。岸壁からパイプを通って運ばれた魚はベルトコンベアで計量、8つある自動裁断ラインに送られる。頭を切り落とし、筋子や内臓を取り出した後、洗浄される。筋子イクラ製造ラインに流れ、内臓は魚油や魚粉の原材料になる。

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 頭を裁断され、内臓を取り除かれた魚はコンベアで冷凍エリアに送られる。工場内には26台の急速冷凍機がある。魚が荷下ろしされてから冷凍ゾーンに到着するまでの時間は20分。つまり20分ごとに5トンの冷凍製品が冷蔵庫に送られる。

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 1つのシフトは約100人で12時間労働。1.5時間~2時間ごとに15分の休憩があり、昼食時間は30分~40分。ヤースヌイ加工場で働いて40年になるイリーナ・ノソヴァは「昔は400人の従業員がいて国のすみずみから学生たちがやって来た」。ウラジオストクから来ているアントン・ダニロフは学生だ。新型コロナの影響で授業はリモートとなったので、もう少しお金を稼ぐという。彼の仕事は20kgを超える魚のパッケージ作業。今年は新型コロナの影響でいつも働きに来る人々が来られず、サハリンからの労働者が多くなった。それでも40~50人はアルタイからの人達だ。

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