1945年8月30日、この日の重要な出来事は、第2極東戦線からモスクワへの「クリル諸島を占領するための前線部隊の作戦は完了した」という報告だった。カムチャツカ防衛区軍のラドゥハノフ少佐が指揮する偵察部隊はウルップ島(得撫島)の北部、カストリクム岬に上陸した。日本軍の第129独立混成旅団の将校と会見し、カムチャツカ防衛区軍の代表と日本軍の旅団司令部の会見を夕方に予定していると通知した。防衛区軍のグネチコ少将は、その場で日本軍が降伏文書に署名することを望んでいた。日本軍はソ連軍の旗艦に数名の上級将校を派遣し、降伏文書への署名は翌日にしてほしい旨申し出た。(サハリン・クリル通信2020/8/30)
※サハリン・クリル通信の「50度線からのリポート」(75年前にサハリンとクリル諸島を日本軍国主義者から解放し、第二次大戦を終わらせた一連の戦いを過去の日時と連動させて紹介するプロジェクト)から--
https://skr.su/uploaded/aa/60/2b/9249813d3724fbfecbd204811f.mp4
補足(ソ連側の動き)
8月30日17:15
太平洋艦隊司令部命令
択捉島で作戦中の掃海艇に対して、(択捉島に)上陸した部隊のうち「1個中隊を国後島へ輸送せよ」と命令した。
8月30日18:00
指令を受けた択捉島上陸部隊のブルンシティン海軍中佐は「9月1日以前に国後島上陸は不可能」と回答した。
日本側の動き
8月30日付
択捉島・留別村の澤田曻之助村長は「留別交通通信遮断さる〈留別村長〉宛の緊急用件は〈天寧(郵便)局気付〉にて発信ありたし」と根室支庁長宛の電報で報告した。
8月30日付
択捉島・留別村天寧に移動した澤田曻之助村長は「居住者の生命財産は保障され、絶対安全に付き、(根室)支庁其の他の関係筋に連絡頼む。通信は皆、天寧(郵便)局気付に出せ。現地で最後の活躍をする」と根室支庁択捉出張所(留別村)宛てに電報を送った。
8月30日付
根室支庁長は澤田留別村長宛に「島内各学校の御真影(天皇皇后の写真)の奉衛（ほうえい=維持管理のこと）に遺憾なきように」と電報で指示を出した。
8月30日付
択捉島・紗那村の西尾数一村長はソ連軍との協定として「今後、あらゆる船舶の来島を禁止する。住民は6時から19時まで外出自由。住民の生命財産を保障する」と報告するとともに、「越年物資(冬期間の食糧、日用品)の対策を請う」と根室支庁宛の電報で要請した。
