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トレジャーハンター、ジャック・デ・マールが刑事責任を問われる可能性 文化財保護の専門家が警告

❐サハリンの話題

 サハリン・クリル通信2019/10/8

金属探知機を使いサハリンで宝探しをしているブロガーのジャック・デ・マールが、考古学者として正しい訓練を受けるよう、文化遺産の保護に携わる科学者や調査官から「助言」を受けた。専門家は、違法行為で刑事訴追を受ける可能性があると警告している。ジャックのブログを見ると、土地の所有と宝探しをする若いトレジャーハンターは、まだ明らかな違反を犯していない。しかし、日本時代の遺物を探す若者は文化財保護規制の一線を越えて刑事責任を問われる可能性があるという。ジャックが調査エリアとしているネべリスク地区には9の文化遺産が登録されている。うち4つは考古学的遺跡である。加えて77件が文化遺産登録に向けた手続きが進められている。もし、遺物が地表から収集されたもので100年を経過していないものであれば、法律に抵触することはない。しかし、アイヌ遺跡のように、少しでも地表を堀って発掘すれば法律違反となり懲役6年の刑が待っている。サハリンの有名な歴史家イーゴリ・サマリン氏は、宝探しで発見したものが1919年より以前に造られたものであれば、刑事責任を問われ罰金を科せられる、と指摘した。個人コレクターの場合、持ち主が死んだ後、コレクションは遺族によってゴミ箱に捨てられることが多い。1990年代のネべリスクでそのような事例があった。持ち主が亡くなった後、家が火事になり、収集品は家と共に灰に帰した。専門家は金属探知機を持って野原や森を探し回るアマチュアの収集家に対して、サハリン州文化遺産データに精通することを求めた。新しく特定された遺跡などはデータが公開されていないことが多く、アマチュアは専門家に相談するべきだと話している。ジャック・デ・マールは「私はアマチュアの考古学者、トレジャーハンターであり、発見したものを販売していないし、利益を得ようとやっているわけでもない。発見したものはすべて、連絡があれば喜んで博物館に提供する」と話した。

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ジャックが2019年に発見した、木材用の焼き印

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樺太時代の先斗町の「畜犬鑑札」

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昭和3年の50銭銀貨