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マスク不足の択捉島 駐屯軍が軍用ガーゼ、消毒液を提供 住民は自宅待機「通りは空っぽ」

北方四島の話題

 サハリン・インフォ2020/4/2

択捉島では他の地域同様にコロナウイルス対策が取られている。この時期、観光客は限られており、警察とボランティアは住民が家にとどまっているかどうかパトロールしている。島でウイルス感染の症例はない。ロコトフ市長は定期的にウイルス検査を受けている。感染拡大に備えて地区中央病院(感染症病床3床)では小児科を感染治療に使用する準備を完了した。ベッド数は11床あり、必要に応じて15床まで増やせる。島内では3月末からマスクと消毒液が不足している。そこで軍隊が動いた。島内のゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)にに師団司令部を置く第18機関銃砲兵師団の師団長が500mの軍用ガーゼと30kgの塩素系消毒剤を行政府に提供した。洋服店では数日間マスクづくりに従事している。マスクは医者や公益事業従事者など、緊急時でも仕事を続けなければならない人々に最初に届けられる。行政府は使い捨てマスクを購入しており、近い将来薬局に並ぶはずだ。スポーツジム、プール、映画館、学校などはすべて閉鎖されている。集落を結ぶバスは極端な間引き運転だ。島に到着した人々はみんな自宅に閉じこもっている。クリリスク(紗那)の通りは人っ子一人いない。ロコトフ市長は「私たちは連邦、サハリン本島と同じ措置を講じている。孤立感はない。私たちは困難な状況を理解するよう市民に要請し、外出をしないよう求めているか、理解してくれている」と述べた。オーロラ航空は択捉便を含めフライトを制限すると発表した。

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