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択捉島の野犬による男児襲撃事件 軍人たちは異動の際に飼い犬を置き去り、野犬化している

北方四島の話題

 サハリン・インフォ2020/1/31

択捉島のかつての軍事都市ゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)で、5歳の男の子が野犬の群れに襲われた事件の詳細が分かってきた。それは1月28日夕方に起こった。男児は軍検察事務所から700mほど離れた丘を歩いていた。その時、両親は車から食料を自宅に運んでいた。男児は他の子供たちと一緒に丘を降りたところで野犬に襲われた。他の子供たちは逃げ、その中の1人が軍検察事務所に助けを求めた。野犬は男児の服を引き裂き、足や腕、頭を咬んでいた。2人の軍人が駆け付け、追い払った。男児ユジノサハリンスクで治療を受けているが、整形手術とリハビリのためサンクトペテルブルクに移される予定だ。一方、男児を襲った野犬が捕獲された。クリル地区行政府は、軍指導部が領域内の野犬を監視する義務について注意を喚起してきたが、軍は特別な対応をとってこなかった。野犬はもともと軍人たちの飼い犬だった。国中を異動する軍事人たちは狩りなどのために犬を連れて歩くが、島を出るときには置き去りにしていく。軍の管理地は閉鎖されており、そこの住人がどのように動物を扱っているかを追跡することは不可能だ。ロシア捜査委員会のクリル地区調査部が刑事事件として捜査を開始している。

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