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択捉島のふ化場 人工の海「ラグーン」を活用して漁獲量が大幅に増加

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北方四島の話題

 サハリン・クリル通信2019/6/21

https://skr.su/uploaded/19/9b/aa/9e26714d08d8c607d3e33d43cf.mp4

●…択捉島にあるギドロストロイ社のヤンキートふ化場はいくつかの特徴を持っている。まず、ここではシロザケが飼育されている。そのようなふ化場は数少なく、しかも島内に4つしかないラグーン型(砂利と海水を使用した飼育池)のふ化場である。加工部門の責任者イヴン・バラスキン部長は「水中の海塩の濃度が高いほど、稚魚が生息地に適応しやすくなり、成長が速くなる。このような条件で稚魚を育てることは、より安価で、技術的にも簡単だ」と説明する。

●…さらに、ヤンキート工場は海岸に隣接している。シロザケが海に放流されるとき、最短距離でたどり着ける。「ふ化場が河口から数キロも離れていると、放流後に他の魚や猛禽類に捕食されてしまう割合が高くなる」とバラスキン部長。

●…ヤンキートの稚魚が平均1.5グラムに育つまで、3段階のプロセスを経る。10月下旬に受精し、1月の終わりから2月にかけて稚魚が誕生する。3月中旬からエサを与え始める。暖かくなると稚魚は網で覆われた飼育池に移され、約1カ月間、海水に慣れる訓練をする。水面を網で覆うのは猛禽類から守るためだ。飼育池の密度を下げるため一部はラグーンに移される。これによって、生活空間が十分確保され、強い個体になる。そして6月初めから中旬にかけて、海水温が5~6度の範囲で海への放流が始まる。

●…放流を始めてから最初の回帰は昨年だった。約400トンのシロザケが戻って来た。今年の10月には2.5倍になるという。

※サハリン・クリル通信2019/10/7

択捉島のふ化場では海水を使用した人工の海「ラグーン」を活用して、稚魚を成長させる独自の技術を使用している。これにより、養魚の効率が大幅に向上し、昨年、択捉島では約2万トンが捕獲された。これは10年前の漁獲量の1000倍にあたる。

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