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リマレンコ知事代行が択捉島訪問 住宅建設の前倒しを表明

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北方四島の話題

 サハリン・クリル通信2019/4/17

●…サハリン州のリマレンコ知事代行が416日に択捉島を視察したことを受けて、島内にある危険住宅から住民を転居させるための住宅建設が加速される。択捉島には7,000㎡を超える危険住宅があり、専門家は、さらに1万㎡を超える住宅が老朽化していると推定。

●…知事代行はクリリス(紗那)の老朽化したアパートを訪ね、住民と懇談した。住民は「窓枠は腐って、壁や天井にはひびが入っている。床には穴が開いて、ネズミが走り回っている。冬はとてつもなく寒い」と語った。問題はそれだけではなかった。「アパートにはバスやシャワーがなく、高齢の母親は健康上の理由から公共浴場に行くことも出来ない」と訴えた。

●…知事代行の指示に基づき、クリリスクとキトヴイ(内岡)地区で3軒の住宅建設が始まる。さらにレイドヴォ(別飛)地区では今後アパート2(21戸と18)が建設される予定。また、ゴルノエ地区とゴリャチエ・クリュチ(瀬石)地区の住民を受け入れるための住宅9,000㎡が建てられる。

●…知事代行は「老朽住宅からの転居は当初計画では6年以内に実施するとしてきたが、2年以内に住宅問題を解決する。命の危険がある住宅からの転居は、先送りできない問題だ」と強調した。択捉島では18区画が住宅用地として割り当てられているほか、国防省と州政府の合意により、軍管理の土地2.5ヘクタールがクリル行政府に移管される予定。

●…クリル地区では、賃貸住宅がないため、医療従事者や教師などの専門家を誘致することが難しい。このため州住宅ローン庁は、賃貸用住宅4(90)を建設しており、公共部門の従業員や医師、教師などが入居する予定だ。