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『色丹島の積極的な開発は日本に明確な合図を送ることになる』 TOR特区「クリル」の領域拡大へ 

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北方四島の話題

 イズベスチヤ 2019/2/28

●…ロシア政府は、日本が長い間自国の領土と主張してきた島々を含むクリル諸島の経済発展を加速するため、今後数年のうちに優先的社会経済発展区域(TOR「クリル」)の領域を拡大することを検討している。関連法案は極東・北極圏発展省によって準備されている。2028年までの新しい投資方針は、8,270億ルーブル以上の資金をもたらすと見られている。

●…TORは有利な税制と簡素化された行政手続を備えた特別経済区。TOR「クリル」は立ち上げ当初オストロブノイ水産加工会社1社だったが、1年半が経過した今日、島におけるビジネスの可能性が評価されるようになり、極東・北極圏発展省はこの地域への投資プロジェクトを積極的にテコ入れする方針だ。

●…投資プロジェクトは観光、水産加工、船舶修理、建設分野で予定されている。「ボストーク・ツアー」はクリル諸島に観光複合施設を建設する予定で、「アライド社」は水産加工場を計画。オストロブノイ社は水産加工場に加えて船舶修理施設を建設する。「クリル・アイランズ」は建設会社を創設する予定で、このプロジェクトは6億6,000万ルーブルの民間投資を呼び込むと期待されている。

●…予定される施設の中には、日本側が長年自国領と主張してきた色丹島に建てられるものもある。しかし、極東研究所のワレリー・キスタノフ日本センター長は「ロシア政府はクリル諸島の開発を計画している」と述べた。「たとえそのことによって、日本が「北方領土」と呼んでいる択捉、国後、色丹、歯舞の島々に影響を及ぼすとしても。もっと言えば、色丹島における積極的な開発行動は、日本人に明確な合図を与えることになる。ロシアが色丹島を手放すことはないというシグナルだ」と述べた。

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