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識者『島々での生活が向上したことが影響』 世論調査でクリル住民の96%が反対 

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北方四島の話題

 サハリン・メディア2019/2/21

クリル諸島択捉島国後島色丹島の住民の96%が四島の日本への引き渡しに反対した。ほぼ全島民一致となったこの結果について、専門家は島々での生活が向上したことが影響していると受け止めている。

ウラジミール・ノソフ氏(ロシア外務省ユジノサハリンスク代表)

●…「私にとって、調査結果は全くニュースに値しない。私はこうした数字になることを予想していた。領土交渉で、ラブロフ外相が日本は第二次世界大戦の結果を全面的に認めるべきだと繰り返し述べてきたとおり、クリル諸島ロシア連邦の一部である。この立場はクリルの人々によって確かに支持されている。近年では、クリル諸島の社会経済開発のための連邦プログラムが積極的に実施されており、確実に生活は向上している。クリルの人々の気持ちは前向きである」

イーゴリ・サマリン氏(サハリンの歴史家)

●…「クリルの人々の生活は良くなっている。クリル諸島への複数年にわたる投資プログラムが実を結んでいる。私は、これらの変化がクリル諸島の住民の意見に大きな影響を与えたと思う。さらに、ロシア人は愛国的な国民であり、彼らは自分たちの国を愛し、そこに暮らすことに誇りを持っている。それにしても調査結果は私の予想を上回った。圧倒的多数の人々が島々の引き渡しに反対票を投じるとは思わなかった。これは非常に心強いことである」

第二次世界大戦の結果、サハリン南部とクリル諸島ソビエト連邦の領土となった。 日本との関係を改善することを目的としたソ連の指導者フルシチョフの決定(※日ロ共同宣言)は誤っている。この指導者がとった他の多くの行動と同様に、明らかに冒険だった。平和条約を締結するために隣人に譲歩するのは間違っている」

アルテム・バンドゥーラ氏(遺骨収集などを行っているサハリンの捜索エンジン代表)

●…「日本側はクリル諸島の一部を要求する権利はない。第二次世界大戦の後、日本はこれらの島々に対する主権を完全に放棄した。ロシアの領土が誰かに譲渡されるなどということは全くあり得ない話だ。これらは私たちの島であり、要である」

ドミトリー・ミニャーツェフ氏(サハリンの愛国運動「ユナルミヤ」指導者)

●…調査結果は人々の気持ちを端的に表している。クリルの人々はソ連の兵士たちが自分たちの島々でどのように戦い、血を流したかを知っている。第二次世界大戦の結果については議論や修正の余地はない。ソ連の人々はこの島々のために死に、そとして日本軍を倒した。したがって、日本はロシア領土に対するいかなる権利も持っていない。そのことはクリル住民の調査で裏付けられた。歴史的記憶が人々の中で生きていることをうれしく思う」

ワジム・ロコトフ氏(択捉島を管轄するクリル都市管区市長)

●…予想通り、クリルの人々の絶対的多数は、クリル諸島の日本への引き渡し、譲渡、リース、またはロシアからの離脱についてのいかなる考えも受け入れないことを示した。特に択捉島の人々は…。私たちはクリル諸島ロシア連邦の不可欠で合法的な領土であることを改めて確認した。今、私たちはさまざまな問題に直面している。学校、幼稚園、住宅の建設や社会的サービス、道路やエネルギーシステムの改善など…。私たちはそれらの問題の解決に向けて努力している。それは私たちが永遠に島に留まることを示している」