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「北方領土の日本への移転は問題外」 安倍首相発言にロシア議会議員が意見を表明

北方四島の話題

 サハリン・メディア2019/1/2

クリル諸島(北方四島)の引き渡しに関して「ロシア人を追い出すつもりはない」とした安倍首相の発言に対して、ロシア下院外交委員会メンバーのアントン・モロゾフ氏は「南クリルの問題で、国民投票世論調査をしようなどと誰も思わないだろう。ロシアは、南クリル諸島問題に関して非常に明確な立場をとっている。領土問題は考慮されていない。 我々は、日本側に無条件で平和条約を締結するよう申し出た。日本がこれを受け入れないなら、それは彼らの選択だ」と述べた。また、ロシア上院国防委員会のフランツ・クリンツェビッチ氏は「日本側は、このような意見の表明を控えるべきだ。いわゆる北方領土の日本への移転は問題外だ。米国のミサイル防衛システムが島に出現するというだけでなく、それはロシアの領土の不可侵性と安全保障にかかわる重要な問題だ」と強調した。

※安倍首相の発言…「北方四島に住んでおられるみなさんは、全てがロシア人であります。残念ながら旧島民の皆さんはそこに住むことができないという状況になっている。誰も住んでいない島をどうするかということではなくて、ロシア人の皆さんが住んで生活をして、そしてすでに70年たっていますから、代を継いでいる。そういう中における交渉です。このロシア人の皆さんに『あなたたち、出ていってください』という態度では、これはもう最初から交渉は成り立ちません。ここに住んでいるロシア人の方々が日本に帰属が変わるということに納得していただける、受け入れていただく形でなければいけない。ですから今、共同経済活動を具体化しようとしています。つまり日本人と一緒に住んで、仕事をすればもっと豊かになる、この地域も、もっといい地域になっていくということを感じて頂くことが、極めて重要だと思います」「在日米軍はですね、これは日米安保条約の5条、6条によってですね、日本や極東の平和と安全を守るために在日米軍の存在があり、そしてこれは極東の平和と安全のためには極めて重要であります。決してロシアに対して、敵対的なものではありません。これは、今までもプーチン大統領に説明してきたこともございます。これは必ずご理解をいただけると思います」(2019/1/1 ANN単独インタビューで)

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ロシア下院外交委員会メンバーのアントン・モロゾフ

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ロシア上院国防委員会のフランツ・クリンツェビッチ氏

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