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航空運賃補助制度の改悪で島へのアクセス悪化 択捉島のベラウソワ議長らが制度改正要求

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                                      ベラウソワ議長(中央)とクリル地区議会議員

 

北方四島の話題

 astv.ru/news 2018/12/18

サハリン州の市町村議会の議長会議は、サハリンと国後島択捉島を結ぶ路線などに導入された航空運賃補助制度によって、ほとんどの人が補助を受けられなくなり交通アクセスが悪化したとして、制度を元に戻すよう要請している。択捉島のクリル地区議会のタチアナ・ベラウソワ議長は「島の人々は、本土から切り離されていると感じている。多くの島民が自分の子供や親せきを島に招待することが出来ない。これは深刻な問題であり、直ちに解決されることを願う」と訴える。2017年の改定により、補助を受けられるのは、サハリンの永住権を有し、2年間居住している乗客に限定された。航空会社は乗客のパスポートとチケットのコピーを社会保障省に報告し、対象者であることが確認されれば補助金が交付される仕組みに変わった。2017年と2018年に、択捉島で補助を受けたのはわずか21人、国後島色丹島では77人に過ぎない。サハリンの永住権を持っていても、補助金を受け取る資格を確認することが難しいことが要因。サハリンに永住権を持っていない乗客の運賃は、ユジノサハリンスク—クリリスク(択捉)線で33,490ルーブル、ユジノクリリスク(古釜布)線で29,670ルーブルとなり、ユジノサハリンスク—モスクワ線の22,000ルーブルより高額に設定されている。このため、観光客の流れが著しく減少し、観光インフラ整備を目的とした企業の投資活動が中断されるなどの影響が出ている。市町村議会の議長会は、エアラインに直接補助金を投入し、すべての乗客が手ごろな価格で航空券を購入できるよう、以前のシステムに戻すことを望んでいる。

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