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北方領土には178の島がある

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 北方領土とは択捉島国後島色丹島歯舞群島のことで、北方四島という言い方をする場合もあるが、実際には島の数が4つということではない。歯舞群島には日本人が集落を形成していた島が5つある。志発島水晶島多楽島勇留島秋勇留島で、これらの島をひとくくりにして歯舞群島と言っているが、日本人が集落を形成していた島という観点からいえば、「北方八島」とした方が歯舞群島の各島の出身者の気持ちに沿った表現なのかもしれない。

 それでは、人が住んでいなかった島々も含めると北方領土にはいくつ島があるのだろうか。日本も批准している海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)の第121条の規定によれば、「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるもの」を島という。面積の規定がないため、満潮時に海面にある岩のたぐいも島だとすると、かなりの数になりそうだ。

 昭和62年に海上保安庁が日本の島の数を6,852島と発表している。この時の条件として①周囲が0.1km以上のもの②橋や防波堤のような構造物でつながっている場合は島とするが、それより幅が広いものでつながっているものは除外③埋立地は除外、している。それによると北方領土には、178の島がある。周囲1km以上の大島が17、周囲が0.1kmから1km未満の小島が161ある。

 日本には人が住んでいる有人離島は418(国土交通省資料「日本の島嶼構成」)あるが、現在ロシア人が居住しているだけで日本人がいない北方領土の島々はすべて「無人離島」という扱いになっている。

※千島歯舞諸島居住者連盟作成の「北方四島居住地図」には、歯舞群島春苅島に2世帯の名前が記載されている。