札幌日活館の映画宣伝チラシ。「生命の冠」は「オールトーキー」とある。
根室振興局が開催した上映会で配布したプログラム
「生命の冠」のフィルムはマツダ映画社が保存していた。それを基にしたDVDが2011年に『新潮45』(第347号)の付録となって話題になった。その後2014年には中日映画社が活弁版DVDを発売している。根室振興局が北方領土遺産発掘・継承事業として、2015年10月24日に根室市内で上映会を開催した時に使用したのは、上映時間55分の活弁版だった。
「生命の冠」にはトーキー版(音声付き)とサイレント版(無声)がある。トーキー版の上映時間は94分だか、1936年(昭和11年)当時、地方の映画館はトーキーに対応した設備がなく、トーキー版を短縮してサイレント版を制作した。トーキー版では、エキストラの女工さんたちが「女工節」を歌っているといわれるが、トーキー版の存在は確認されていない。