国後島ユジノクリリスク(古釜布)で15日、シルバーボランティアの人々が集まり、NGO「シルバー・クナシル」を創設することを決めた。年金受給者が電話で健康問題について相談したり、援助を求めることができるコールセンターの形で組織される。将来的には、困窮している人々に緩和ケアを提供し、この運動に若い世代を巻き込むことも計画されている。南クリル地区の行政府はシルバーボランティアの取り組みを支持し、NGOの登録に向けて法的支援を行うことを決定した。(kurilnews.ru 2021/4/16)
サハリン州政府の住宅・公益事業省は、南クリル諸島(国後島、色丹島、択捉島)と北クリルのパラムシル島にプレスコンパクター(圧縮減容機)を備えた廃棄物センターを整備し、収集した廃棄物を圧縮した後、サハリンのコルサコフに運んで処理する方針を示した。ロシアの法律の特殊性から、要件に完全に準拠して廃棄物を島内に置いておくことは不可能と判断した。「島内にゴミの埋め立て地を確保しようとすると、水源としての保護エリア、飛行場ゾーン、特別に保護された自然地域にぶつかって、設置は不可能。このため当局は、島に廃棄物を一切保管しないことを決定した。それらは、収集された後、プレスした上で本土に輸送される。しかし、国後島と択捉島では、廃棄物の焼却施設の建設に向けた取り組みが進められており、これが完成すればゴミの本土への輸送に反対するだろう。択捉島のゴミは島内で燃やされ、色丹島のゴミは国後島に運ばれて処理されることになる。色丹島では、廃棄物の埋め立て処理と焼却が禁止されている。(サハリン・インフォ2021/4/16)
国後島のクリル自然保護区の研究者は9日にユジノクリリスク(古釜布)に近いゴロブニン湾(※大岬から近布内にかけての海岸)に打ち上げられたクジラの調査を継続している。その日、海は非常に荒れていた。保護区のスタッフが到着した時にはクジラはすでに息絶えていた。体調6.4mのミンククジラで、大人のサイズに相当した。スタッフは皮膚や筋肉、脂肪、骨のサンプルを採取し、モスクワの大学に送った。サンプルから、食べていたもの(オキアミや魚など)から生活特性が分かる。スタッフはクジラの体に多数の傷があることに気づいた。そのすべてが撮影され、写真は様々な分野の専門家に送られた。調査した研究者は「クジラの体には3つの歯を持つヤツメウナギの咬傷に似た傷があったほか、いくつかの傷は、おそらくカイアシ類の活動の結果として出来たものではないか」と語った。モスクワ国立大学の研究者はサメの攻撃を受けたと考えられたる傷跡について話した。「最も可能性が高いのはブラジルのサメだ。亜熱帯に生息しており、このクジラが低い緯度に移動した間接的な証拠になる」と説明した。「なぜクジラは海岸に打ち上げられるのか。それは人間の影響か。このような現象が起きた時、どうすればクジラを助けられるのか」--科学はまだ正確な答えを出せていない。クジラの行動は大きな謎に包まれたままだ。(サハリン・インフォ2021/4/15)